所得区分
雑所得とは何か、そして赤字が使えない理由
雑所得は、他の9つの所得区分のどれにも当てはまらないものを受け止める区分です。そのぶん税法上の扱いが厳しく、特に「赤字を他の所得と相殺できない」という制約が、副業を始めた人の想定と食い違いやすいところです。
他のどれにも当てはまらないものが入る
所得税では所得を10種類に区分し、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時のいずれにも該当しないものを雑所得としています。副業の収入、暗号資産の取引による所得、公的年金等などがここに入ります。
雑所得はさらに、公的年金等・業務に係るもの・その他に分けられます。同じ副業でも、事業所得と認められるか業務に係る雑所得になるかで扱いが変わるため、区分そのものが最初の分かれ道になります。
赤字を他の所得と相殺できない
損益通算ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られています。雑所得の損失は、給与所得など他の区分の所得と相殺できません。
翌年以降への損失の繰越控除も、雑所得については適用がありません。青色申告で認められる純損失の繰越しは事業所得などが前提で、雑所得はその対象外です。
ただし、雑所得どうしの内部では収入と必要経費を通算できます。同じ雑所得のグループ内で黒字と赤字を差し引きしたうえで、残った金額が雑所得の金額になります。
令和4年分以後は帳簿の保存が要る場合がある
業務に係る雑所得については、前々年の収入金額に応じて、現金預金取引等関係書類の保存や収支内訳書の添付が求められる仕組みが設けられています。副業の規模が大きくなると、事業所得でなくても記録の義務が発生し得るということです。
帳簿を付けている実態は、事業所得として認められるかどうかの判断材料にもなります。どちらの区分で申告するにせよ、記録を残しておくことは無駄になりません。
「20万円以下なら何もしなくていい」ではない
給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得が20万円以下であれば所得税の確定申告を要しないとされる場合があります。ただしこれは所得税の話で、住民税の申告は別に必要になることがあります。
また、医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告することになります。「20万円以下だから申告しない」と「確定申告をする」は同時に成り立ちません。